どこまで言えますか?

ある日の小学生の授業前、
生徒がブツブツと呪文のようなものを唱えていました。
よーく聞いてみると、
その正体はこれ…、
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
一
十
百
千
万
億
兆
京(けい)
垓(がい)
抒(じょ)
穣(じょう)
溝(こう)
澗(かん)
正(せい)
載(さい)
極(ごく)
恒河沙(ごうがしゃ)
阿僧祇(あそうぎ)
那由他(なゆた)
不可思議(ふかしぎ)
無量大数(むりょうたいすう)
そうです!
数字の「桁」(けた)ですね。
これを永遠と唱えていました笑
何しろこの生徒、
算数がとても苦手で、
最初は九九もなかなか言えませんし、
計算も異常に遅い。。。
そんな状態でした。
お母さんと相談の上、
2か月くらい毎日のように塾に通ってもらい、
時には泣きながら勉強していました。
宿題も頻繁に忘れていたんですよねえ。。。
そんな彼が、宿題は滅多に忘れないようになり!(当たり前ですけど)
苦手な算数のテストで、
学校でクラス唯一の100点満点を取るようにまでなりました!
これには指導していた僕も驚きました。
何より嬉しかったのは、
「算数が好きです!」
と言い出したこと。
とても素敵なことです。
教える側としても感慨深いですね。
「好み」というのは曖昧なものです。
ちょっとしたきっかけで大嫌いな教科も大好きになります。
私はその変化には、
ときに苦労や苦痛が伴うと思っています。
苦労や苦痛があるから嫌いなわけですが、
その苦労や苦痛を乗り越えたとき、
その達成感は必ず自信に変わります。
自信になってしまったら、
あとは自然現象。
誰もが勝手に自分から学びます。
もっと知りたい、
もっと解きたい、と思うのです。
誰からも覚えることを強制されていない桁を、
覚えたからと言って別に得するわけでもない桁を、
自分から覚えた彼は、
とても立派です。
こんな風に、
生徒が自然に自信をもてるような学び舎を築いていきたいものです。