勘違いしてはいけない
私の家にはテレビがありません。
よって普段からテレビをみる機会がほとんどないのですが、先日実家に帰ったときに何気なくテレビをみていると、通信教育の宣伝CMが流れて登場する子どものセリフから始まりました。
「塾の先生と合わないんだよね~」
ここで思わず笑ってしまったのですが、すっとんきょうな勘違いはより大きな苦しみを招くので気を付けた方がいいです。
「学ぶ」とは「真似る」から始まるという有名な話がありますが、まさにその通りです。
自分に合う師を見つけるのではなく「自分を師に合わせる」のです。
中学校の中2の国語教科書にも掲載されている、内田樹「学ぶ力」にもこの論理が出てきます。
ちなみにちょうど先日添削した大学入試の小論文でもこの話が出てきました。
たしかに世の中にはトンデモナイ指導者が存在しますから逃げた方がいいケースもあるかと思いますが、それは実際のところかなり少ない例かと思います。
子どもの場合、そのときの気分で「塾行きたくなーい」とか「習い事嫌だー」となります。
ここに理性的な理由があるのならばまだ話は違ってきますが、塾だと概ね勉強が「面倒、つまらない、つらい」といった感情的な理由です。
もちろんそれがストレスで、避ける選択もあるかもしれませんが、私の経験上、それでも可能な限りがんばってほしいなと思います。
今年の正月だったと記憶していますが、元メジャーリーガーのイチローが高校生に野球教室を開いたニュースで言っていました。
「今の子どもたちは大変です。だって周りの大人が恐れて何も言ってくれないから自分で全部気付かないといけない。」
こうなってしまうと誰も得をしない教育の出来上がりです。
自分の限界を越えたいのであれば誰かに教わるのが得策です。
しかしそのときはぜひ、とことんその師から根こそぎすべてを盗み取るつもりで教わってください。
ウチの塾生たちですか?
そりゃあもう大変でしょう。入塾してすぐに中村が怒涛の如く指示を出してきます。
長く通っている塾生でも節目節目で苦しい場面が訪れます。
でもですね。彼らは偉いですよ。私が保証します。
何しろ私に必死に食らいついてくるのですから。
その中で得た経験はただ勉強していただけでは得られることのない唯一無二の糧になります。