頑張れる環境③

「一人ひとりの生徒に合わせた授業」
そんな表現をたまに見かけます。
たしかに、
私も場合によっては同じような表現を使い、実際に生徒によってカリキュラムをオーダーメイドします。
しかし、
これは授業内容や指導の仕方が違うというよりは、それぞれの現状から出発地点と目標への距離感が違うために、
進行表を組み替えるようなものです。
誤解を恐れずに言うなら、生徒一人ひとりに合わせた授業はしません。
どんな生徒でも必ず到達しなければいけない地点は存在しますし、そのためについていかなければいけない授業スピードや内容、こなさなければいけない課題量があります。
入試でいうなら必ず到達しなければ合格できないレベルがほぼ定まっているわけですから、逆算をしてそこに「合わせにいく」必要があります。
講師側も注意が必要で、経験の少ない学生講師が授業をしてしまうと、その生徒の現状のレベルにすべてを合わせてしまい、
初歩的なことの繰り返すばかりになり、テスト範囲の内容を網羅できないことや、
その生徒の実力を伸ばすための負荷を掛けず、その子の実力の範囲内でしか練習をしないために、
点数を取れるレベルにまったく達しないことがあります。
また、
どこの塾に入塾する場合でも同じだと思いますが、
「ウチの子には合わない」ではなく、「合わせにいく」姿勢を大事にしてください。
長年の経験からすれば、
子供たちは「朱に交われば赤くなる」を良い意味でも悪い意味でも体現します。
ですから、
塾選びをするときは、今の生徒の現状成績を考えずに、どこが最も子供の成績を伸ばしてくれそうか、
たとえ厳しくても、どこが最も頑張れる場所かをよく検討ください。
友達が通っているから行くとか、友達と一緒に通いたいという理由ではいけません。
子供たちはみんな、大人が思っている以上に頑張れる存在です。
(次回へ続く)