頑張れる環境④

面談で、
「ウチの子はやる気がないのですがどうしたらよいですか?」とたまに聞かれます。
「やる気」というのは自然に沸き起こってくるものではありません。
また、
他人に「やる気ス〇ッチ!」とか言って湧き上がらせてもらうものでもありません。
自分から行動することで生じさせるものです。
今日は過去の教え子を紹介します。
〈中1の途中で入塾してきたK君の例〉
彼は中1の2学期に入塾したと記憶しています。野球のクラブチームに所属していてバリバリの野球少年でした。
小学生から野球に夢中ですから、今まで勉強にそこまで力を注いでいませんでした。
スポーツのクラブチームに所属している人はわかると思いますが、あれはなかなか大変です。
土日や長期休みになれば当然のごとく朝から夜まで練習や試合がありますから学校のテスト前でも十分な勉強時間すら取れません。
そんな彼も、これでは成績がマズイと感じたらしく塾を探して入塾しました。
スポーツをしている子によく共通することですが、一度本気で勉強を始めると集中して勉強に取り組みますし、きちんと指示を守ってするべきことをよくこなします。
彼もその一人で、入塾後の最初の2学期中間テストで、
327点→380点
クラブチームを継続しながらよく頑張ったと思います。
しかし、
その後は調子に乗ったのか300点前半に逆戻りして中1を終えました。
驚いたのはここからです。
なんと彼は野球のクラブチームを辞めました。
クラブチームを辞めるのは学校の部活を辞める以上に勇気がいることです。
親御さんやチームの監督を含めて、長時間の面談を経て辞めたようですが、
その理由は、
「もっと勉強がしたいから。」
誰にでもできる決意ではありません。
素直にすごいなと思いました。
私のもとで勉強する中で、勉強の楽しさや重要性に気付いたらしく、もっと上を目指したいという気持ちが勉強の方で湧き上がったようです。
これは実際に本気で勉強しようと彼が行動したからこそ湧き上がってきた意欲です。
その後、
中2の1学期中間テストで402点の大台に到達し、
中3時には学年順位で最高3位。
内申点は44点。
高校入試は第一志望の千種高校に見事に合格しました。
その後は名古屋市立大学の経済学部に通い、現在は中部電力で働いています。
彼の特筆すべきことはまさに行動力。
自分から「勉強する!」という行動をしたからこそ、これだけの結果を呼び込んだと言えるでしょう。
中3のときは夜の11時くらいまで毎日居残って勉強していた姿を今も覚えています。
彼のように勉強に奮起できる、頑張れる環境があります。
(次回へ続く)