英語は最初が肝心
私は一人塾長ですが全国の個人塾塾長が集まるSNSグループにいくつか在籍しているので全国の教育事情を知ることができます。
最近の話題といえば全国的に英語ができない中学生、高校生が爆増しているという話です。
これは都市部でも地方でも同じ傾向のようです(地方の方がより深刻)。
今回の塾生面談でも保護者の方と何度か話題になりました。
そりゃそうですよね、五教科の平均点分布を見ると学年によっては英語だけ平均点が38点とかになっていて50点未満の生徒がゴロゴロいたら心配になるでしょう。
これは4年前に中学の英語教科書が改訂された時点で多くの塾の先生が予想していました。
そして来年に再び教科書が少しだけ変わるのですが、すでにより一層の英語難民を増やすであろう予測が立っています。
理由は簡単です。
中1の最初の単元から超重要な文法事項が同時に複数畳みかけてくるからです。
今でも、be動詞と一般動詞の区別、助動詞can、疑問詞whatなどを一斉に学びます。
ほとんどの中1はルールとしての理解なんてできず何となく通り過ぎていきます。
そして皮肉なことに2学期の中間テストくらいまでは何とかなってしまいます。
「見たことあるな~」の雰囲気で乗り越えられるからです。
でもここに三単現のS、過去形、不定詞と動名詞、接続詞なんて入ってきたら間違いなくフィーリングでは解けません。
しかし、残念ながらこの時点ですでに手遅れの末期です。
英語は「ヤバイ!」と思って次の単元を必死に勉強してもほとんどの場合で点数が浮上しません。
中1からの積み重ねがないと英文ルールの基本がないので、いくら途中から勉強しても基本的内容で間違い続けるからです。
解決方法はただ一つ。
「中1内容から高速でやり直す」しかありません。
ウチでは高校生でも中1内容からやり直しますよ。それしかないですもん。
もちろん辛いですが(生徒も私も)やるしかありません。
英語はそれだけ最初が肝心なんです。
ちなみに、英会話教室に通っているとか英検3級を持っているからといって学校の英語のテストができるとはなりませんので注意が必要です。
コミュニケーションや思考判断に重点を置いたはずの現在の中学英語カリキュラムですが、今まで以上にガチガチの本格的な英文法と途方もない量の英単語暗記が必要になっているのはとても興味深い現実です。