真似る

7年ほど前のことになりますが、
吉根中学校に「宮川先生(仮名)」という数学の先生がいました。
これほど気骨のある先生がまだいたんだなと思うような先生でよく覚えています。
残念ながら直接会ってはいないのですが、当時の塾生たちから聞くエピソードはどれも鮮烈でした。
「先生が教室に入って来たら誰も一言もおしゃべりをしないし居眠りする人もいない」
「挙手はさせずに指名されるが基本的な問題に答えられないと徹底的な個人指導と全体復習が始まる」
「難しくても必要なら高校数学の内容まできちんと説明する」
その中で生徒たちが頻繁に言っていたのは、
「勉強は猿真似から始まる」です。
今の学校でこんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、私は「気が合うな~」と思いましたし、塾生たちからは「中村先生と宮川先生は友達になれる」と言われていました笑
乱暴に聞こえるかもしれませんが、これは決して生徒をバカにするような発言ではありません。
過去のブログにも書きましたが、勉強は真似ることから始まると言われています。
つまりは、まずは何も考えずに猿のように言われた方法を忠実に真似ればいいということです。
これをすぐさま非難する人がいますが、大人の仕事でもまずは簡単な作業を見よう見まねで真似ることから始めたり、マニュアル通りに手順を追う仕事から始まりますよね。
それと同じです。
というか、何でもまずは素直に真似るのが一番ストレスなく技術を習得できるのです。
オリジナルなアレンジはそのあとです。
大きな問題になるのは、この真似ること自体が不器用な場合です。
そうなるとあらゆる習得に苦戦しますから、まずは「真似るんだ!」と強調するわけです。
宮川先生は学校の先生としては絶滅危惧種的な厳しい先生に入ると思われるので、さぞ生徒たちから恐れられ嫌われていると思われるかもしれませんが、真逆です。
当時の生徒たちは途中で定年退職してしまった宮川先生を卒業式に招待してほしいと学校側に訴えかけ、ビデオレターという形ではありますが再び宮川先生が登場すると生徒たちは涙して喜んだそうです。