観察力②
私は塾の先生にとって最も重要な能力の一つは、「観察力」だと考えている。
塾講師は一般的に「教える」ことが仕事のように勘違いされているが、教える行為は指導の手段の一つに過ぎない。
もちろん教えるという行為そのものは非常に重要で奥深く、私も10代20代の頃は、教える技術を磨いていたわけだが、単に教えるだけでは伸ばせない生徒が多くいることに、遅かれ早かれ誰もが気付くと思われる。
この前者の教えるとは、科目内容を教える「教務」であり、そこから勉強技術、勉強方法、勉強マインドを教えることが重要になるわけだが、この後者の教えるは「教える」と表現するには少し感覚が違ってくる。
たしかに、「教える」=「伝える」と解釈すれば同じように思えるけれども、後者は私にとって「見守る」に近しい。
一朝一夕では構築されず、生徒によっては二次関数をマスターするよりもはるかに長い時間が必要な過程になる。
そこで大切なのが観察力だ。
私は生徒の「機微」とよく表現するが、この機微にどれだけ繊細かつ早急に気付けるかで、生徒の実力を劇的かつ短期間で伸ばせるかが決まってくると言っても過言ではない。
これは表面上、ノートの使い方や途中式の在り方、問題集の直し方などのように表現されることが多い種類のものである。
そんな類のものをどれだけ見逃さずに捉え、タイミングよく指摘できるかが鍵であり、そこにこそ塾に通う意味が詰まっている。
